今回は、東京都と神奈川県の河川整備の違いについて、詳しく書いています。
こちらの記事を読めば、境川の現状(実態)がわかります。
東京都・境川の現状
現在、境川は二級河川です。
全長52kmあります。
上下流域は神奈川県の管轄、東京都は、その中の、中流10.5kmのみ管轄しています。
それぞれの時間雨量について
まず、神奈川県区間は時間雨量30mm体制。
東京都区間が時間雨量50mmの整備を完了しています。
東京都は、既に50mm対応していますが、昨今の集中豪雨などにより、
時間雨量65mmに東京都独自で整備計画をしているそうです。
今までより、+15mmになりますが、10mmを流域対策に、5mmを調節池にするという計画です。
その5mmの詳細は、1mm対応の調節池を5つ(計5mm)造るそうです。
10mmの流域対策については、また別の機会にお話しさせていただきます。
1mm対応の調節池の効果
1mmの調節池を造ってどれくらいの効果があるのかというと・・・
なんと、1時間!!!
これをあなたは、長いと思いますか?それとも短いと思いますか?
人によって感覚が異なるので、なんとも言えませんが・・・
私たちは、たった1時間・・・だと思います。
河川整備のちがい
現在、神奈川県の河川整備が遅れている為に、東京都区域は河川整備を50mm/h行っていますが、神奈川県の下流水量が30mmの為、それに合わせて、再び埋め戻すという工事をしているのです。
神奈川県は、河川整備ができない理由に、財政面が厳しいこと、津波対策の方が優先などの理由で、しばらくは、できないと説明しています。
30年以内に整備計画をすると発表しています。
30年以内って・・・
費用対効果について
東京都の税金に200億円以上もかけて、建設する調節池の効果は、約1時間にすぎないのです。
その1時間の為に207億円と、約8~10年もの長い期間、工事をして住民の不安や負担を考えると、費用対効果が低いと考えます。
下流の流下能力を向上させるのが先決であるが、それが神奈川県では、出来ないと言っているのです!
県をまたいでいるせいで、整備計画が思うように進まないのです。
お分かりだと思いますが、県をまたぐと管轄が変わってしまうのです。
しかし、県をまたいでも一貫した管理を行える方法があるのです!
一貫した管理を行うには
それは、二級河川から一級河川にすることです。
一級河川と二級河川のちがい
一級河川は、国土交通大臣が指定(区間を限定)した河川。
二級河川は、都道府県知事が指定(区間を限定)した河川。
境川は、全長52km。
一般的には、大きい川が一級河川かと思われますが、境川と同等の大きさや、小さい川も一級河川になっています。
例えば、近隣では、境川の東京と神奈川鶴見川(43km)、静岡県の狩野川(46km)、静岡県の安倍川(51km)
このことから、一概に大きいから一級河川であるとは言えません。
境川に限らず、特に県をまたぐ河川に対しては、整備計画が進みづらいので、一貫した管理体制が必要だと考えます。
神奈川県や東京都ではない、一貫の管理体制を早急に望みます。
境川は一本の河川であり、一貫した治水管理の体制をとってこその河川整備計画です。
したがって、調節池を造るより先に、一級河川にして、下流領域の河川整備をするのが、先決です。
※画像の一部は、資料一覧より抜粋