今回は、町田市金森西田スポーツ広場調節池に関する計画と、なぜ住民は反対しているのかについて、まとめました。

 

こちらを読めば、流れがわかるようになっています。

 

もしお時間があれば、他の記事もお読みください。

 

概要については、下記の資料(pdf)を抜粋し、記載しています。

⇒ 平成 27年 4月 境川水系河川整備計画 の資料

 

 

東京と神奈川の2つの県をまたぐ境川の町田駅より3キロメートル下流に洪水調整池を設置する計画である。

 

境川は、その源を神奈川県相模原市緑区の城山発電所の貯水池である城山湖付近に発し、
東京都と神奈川県の都県界を南に流下して町田市南端から神奈川県に入り、
柏尾川等の支川を合わせて相模湾に注ぐ、幹川流路(かんせんりゅうろ)
延長約 52km、流域面積約 211k㎡の二級河川である。

 

その流域は、東京都、神奈川県にまたがり、
町田市、相模原市、大和市、横浜市、藤沢市、鎌倉市の6市からなっている。

 

形状は南北に長く湾曲して、上流域の幅は2~3km、下流域の幅は12km程度である。

上下流域は神奈川県の管轄、東京都は、その中の、中流10.5kmのみ管轄。

 

 

 

 

治水事業の沿革

東京都管理区間は、時間雨量 50 ㎜対応の整備を進めているが、下流の流下能力見合いで、時間雨量 30 ㎜対応となるように流量調整を実施している。

東京都管理区間の上流においても同様に、下流の流下能力見合いで、時間雨量 30 ㎜対応の整備を進めている。

 

東京都管理区間

鶴瀬橋上流管理境から根岸橋までは、時間雨量 50 ㎜の降雨に対応する整備を進め、現在、護岸整備が9割以上完了している。

 

下流の神奈川県管理区間の整備状況にあわせ5箇所の
狭窄部を存置するとともに整備済み区間についても計画河床まで掘り下げず、
下流への流下量を抑制している。

 

横浜市管理区間及び河川法第 16 条の3に基づく協議により同市が河川工事及び維持を施行する区間においては、境川流域整備計画に基づき時間雨量概ね 50mm に対応した整備を進めている。

 

横浜市管理の平戸永谷川と宇田川については、河川整備と流域対策を合わせて整備を進めており、それぞれ、平成 19 年度と平成 22 年度に遊水地整備を含めて河道整備が完了している。

 

 

山本さん山本さん


つまり、神奈川県区間は時間雨量30mm体制。

横浜市と東京都区間が時間雨量50mmの整備を完了しています。

 

ややこしいですよね。

 

神奈川県でも横浜市は50mmの整備を完了しているのです。

横浜市以外が、30mmの対応になっているのです。

 

 

 河川整備計画の目標に関する事項

 

第1節 計画対象区間

本河川整備計画の対象区間は、境川水系の二級河川区間(法指定区間)の全ての区間である。

 

 

第2節 計画対象期間

本河川整備計画の目標を達成するための対象期間は、概ね 30 年とする。

 

なお、本計画は、流域の社会状況の変化や新たな知見、技術の進歩等にあわせ、
計画対象期間内においても必要な見直しを行うものとする。

 

 

第3節 洪水、高潮等による災害の発生の防止又は軽減に関する事項

境川水系における都市洪水対策は、これまで河川整備と流域対策を合わせて

年超過確率1/6.3(時間雨量 50mm)の降雨に対応する整備をしてきたところであるが、

流域の市街地率が高いこと、近年でも浸水被害が発生していることから、

年超過確率1/10(時間雨量概ね60mm)の規模の洪水を安全に流下させることを目標とする。

 

各々の河川及び地点における整備目標流量については本計画で設定し、流域分担流量については別途定める「境川流域水害対策計画」と整合を図り、流域内の土地利用の状況や雨水貯留浸透施設、河川調整池の設置等を考慮して設定している。

 

 

 

時間雨量65mm対応についての資料(pdf)は、こちらに詳しく記載されています。

 
 平成 29年 8月5日 東京都南多摩東部建設事務所 の資料

 

 

 

山本さん山本さん

二級河川である限り、下流域の整備を待っていては、

時間がかかりすぎる為(概ね30年)、東京都側で対策をしたいと考えているようです。

 

 

境川の整備状況と今後の計画

 

 

 

 

 

周辺住民は、この調節池設置について反対しています。

 

山本さん山本さん

どうして、住民が反対しているのかを、お話ししますね。

 

境川下流域の整備が進んでおらず、時間雨量30ミリ以上の水量を流すとあふれてしまいます。

 

そのため、東京都管理区間内では、50ミリ対応の容量を作ったものの、
再度土砂を入れ、川底をあげ、流す量を減らしており、30ミリ以上を下流域に流さないようにしています。

 

下流域の整備が進まない限り、境川の問題(時間雨量65ミリにする)は、根本的に解決することはない。

 

焼け石に水である。

 

また、境川は一本の河川であり、東京都・神奈川県を分けるのではなく、一体とした治水管理体制をとることが重要であると考えています。

 

 

どんな工事なのか

金森西田スポーツ広場の調節池計画は、住民非公開で進められました。

住民にこの調節池建設についての説明がないまま、平成27年3月に東京都と町田市の協定書を締結。

 

これは、住民軽視であり、河川法の趣旨に反している工事です。

また、これは、未来に負債を残す計画であり、半永久的に続く支出なのです。

 

【建設費】 207憶円

【建設期間】 8年~

【管理費】 施設利用中
永続的に 年間 780万円

(貯留水の排出用モーター、管理棟の電気代、清掃代)

 

さらに 別途でかかる費用

 

【土砂排出費】 不明
降雨時に施設内に流れ込む土砂排出にかかる費用

 

【修繕費】 不明
コンクリート建造物は補修しなければ50年しか耐用しないため、100年長寿
計画を目指す都政の考えでは、50年に一度は修繕費がかかる予定

 

しかし・・・

 

【埋め立て工事費】 不明 100年後、施設を必要としなければ、埋める予定

 

残念ながら、100年後、私たちは生存していませんが・・・

この場所に必要がないと思っているものに、膨大な税金と多大なる時間を使うことが許せません。

 

 

 

反対する理由は、大きく7つ

生活への影響は膨大である!!

 

子育て世代、余生を静かに暮らしたい高齢者世帯の閑静な住宅内の工事による様々な影響は、以下の通り7つあります。

 

◆生活道路、また子供たちの通学路を工事関係車両が工事中、約8年以上も往来
→ 交通事故の危険性の増加

 

◆農業用井戸水が枯渇してしまう
→ 農業の継続不可能

 

◆隣接する保育園の運営危機
→ 待機児童の増加

 

◆10トンのダンプトラック、ミキサー車など工事関係車両の往来による、騒音、振動、粉塵、空気汚染
→ 住民の精神的、肉体的疲労の増加

 

◆地域住民の活動の場であるスポーツ広場での工事により、町内会活動、地域のスポーツ活動の停止
→ 地域住民の繋がりの減少

 

◆防災対策用地としての大きな役割を担っている西田広場での工事により、災害時の仮設住宅地を失う
→ 地域住民のための災害時の避難場所の消失

 

◆調節池建設工事による、サイクリングロードの使用不可
→ 通勤、通学、またはスポーツ活動の阻害

 

 

以上の理由により、私たち周辺住民は、反対しています。

 

 

 

 

あなたが、ご自分の地域で8年という長期間の工事があるとわかったら、どう思いますか?

 

この話が進んでいたのに、数年前に新居を購入している人は、工事のことは、何も知らされていないませんでした。

 

高齢の方や小さい子供がいる家庭で、8年という貴重な時間を工事の騒音、振動、空気汚染などの生活環境の悪化をどのように思いますか?